本日(2011年7月25日)のニュース解説は、

「アップル社の第2四半期の業績が話題になっています。」

の第一声で始まります。

さらに、その(話題になっている)内容について具体的に以下のように言及しています。

「CEOであるスティーブ・ジョブスの病暇や個人情報流出訴訟等の悪材料があるにもかかわらず30兆ウォンの売上高及び8兆円という驚異的な収益を達成したこともさることながら、この実績が世界経済全般の『潮流』を物語っているという点においてより関心が集まっているのである。」

一方、韓国企業の実情については、

「半導体、LCD等、ハードウェア中心の韓国企業は業績に対する責任を問い、『問責性』を帯びた役員人事を断行した。アップルとは実に対照的である。」

とその違いを対比的に語っています。

また、上記の事実関係を基に、

「一時期停滞していたアップルが、今や1人勝ち状態で急速な『成長曲線』を描いている競争力(の源)が何である(どこにある)のかを分析してみるべきである。」

とした上で、その成長の背景にある特徴について以下のような点を挙げています。

・アップルは「産業の変化」を正確に読み取り、積極的にそれに対応した。
具体的には、「有線通信から無線通信」、「ハードウェアからソフトウェア」中心の企業へと変化した。
・”アップル”という社名こそ変わってはいないものの、「マックコンピュータ」を製造販売するコンピュータ会社から、無線端末機を製造し、アップストアを運用するサービス企業へと完全に生まれ変わった。
・グーグル、フェイスブック、ツイッター、グルーポン等と同様、ソフトウェアサービス企業になったのである。

ここで以下のような提言しています。

・我が国(韓国)のIT産業も、「ソフトウェア中心」に再編されるべきである。
・そのためには、専門人材を養成し、「生態系」を改善しなければならない。

また、政府・業界・国民の現状や進むべき方向ついて以下のように説明し、かつ論評しています。

・韓国政府も上記(提言)のような方向に向かい、ソフトウェア(産業)育成を推進している。この点は望ましいことである。
・しかしながら、政府の努力だけで事が成就されるはずもない。大企業が自ら(その方向)に舵を切るべきである。
・国民も、「無料ソフト」探しを中断すべきである。
*ソフトウェアの不法コピー・不法利用等は、ソフトウェア業界にとって「最大の敵」である。

再度、アップルの成長過程につき、以下のように述べています。

・アップルは真正な「融合」を実現した。通信・端末機・運営体制・コンテンツを有機的に「融合」し、アイフォンを生み出したのである。
・すなわち、各機能は「全体」のために存在し、他の機能を「能動的」に支援するという、「融合の基本」を実現したのである。

上記を受け、自国(韓国)の現状との対比も含め、以下のように述べています。

・我々に欠如している「接着剤」の役割を果たす「譲歩と支援」が、アップルにおける「融合」には存在したのである。

・アップルは、「失敗」し追放されたスティーブ・ジョブスを再度迎え入れ、会社の未来を託したのである。
・専門人材に対して最高の待遇を施したのである。
・今や、アップルの中にはスティーブ・ジョブスだけでなく、世界をリードする人材がいくらでも存在するのである。
・(上記一連の事実は)企業の効率性を追求するあまり、「人材」を「消費財」のごとく認識している一部企業とはまさに対照的である。
・「人材中心」・「ソフトウェア中心」の企業へと変化を推進してきた結果が、(上述の)売上高及び収益という結果として現れたのである。

そして、最後に以下のような提言が述べられて解説は締めくくれられています。

・我々(韓国)もこれ以上躊躇している時間的余裕はないのである。
・今からでも、「ハードウェア的な思考」から脱却し、「ソフトウェア環境に適合した発想」へと転換しなければならない。
・その「道」こそが、「国民所得3万ドル」(という目標)へと向かう「最善の道」なのである。

上記「ニュース解説」は、KBSのサイトの以下のページで(ストリーミング動画による)視聴が可能なほか、解説の内容(スクリプト)をテキストベースで閲覧することも可能ですので、ご興味のある方はアクセスなさってみてください。

http://news.kbs.co.kr/special/digital/newscomm/2011/07/25/2329118.html