本日(2011年7月28日)のニュース解説は、現在、韓国全般を猛烈な勢いで襲っている暴雨とそれに伴い大きな被害が相次いでいる状況を踏まえ、「防災システムの再構築」を訴える内容となっています。

まずは、現在起きている暴雨とそれに伴う被害状況等、集中豪雨とそれに対する対策の現状等について、具体的な数字も交えて以下のように説明しています。

・梅雨が明け、猛暑の心配をすることになるであろうと思っていたところ、各地で集中豪雨が相次ぎ、財産及び生命に関わる被害が続出している。
・今年(2011年)の梅雨は、例年に比べ早期に始まり早期に終わった。
・過去30年間の梅雨の期間中の降水量の全国平均値が360mmであるのに対し、今年(2011年)は約590mmと、対平年比約1.6倍の降水量を記録した。

・特に中部地方では、梅雨の期間自体は平年との比較で5~6日程度短かったにもかかわらず、平均降水量は約760mmと対平年比で約2倍となった。

・1時間当り30mm以上の降水量を記録する場合を「集中豪雨」と呼んでいる。
・こうした「集中豪雨」は、不安定な大気の状態のもと瞬間的に発生することから、スーパーコンピュータを利用した先端の数値予報技術をもってしても、事前に予報することは容易ではない。
・1980年代には年間に集中豪雨が発生する日数が8.2日であったのに対し、2000年代においては10.2日となっており、集中豪雨の発生頻度は高まっている。

・こうした「集中豪雨」に対処するためには、「災害脆弱地域」における防災システムの強化を図る以外に方法はない。
・山崩れや浸水などの被害が発生している地域の中には、過去にも同様の被害を被っているという「常習災害地域」であるケースが多く見られる。
・そうした状況にもかかわらず、「常習災害地域」において、予想される集中豪雨に対する予防対策が講じる努力がなされている事例は微々たるものである。

上記の現状認識を踏まえ、解説委員は以下のように主張しています。

・変化している降水パターンや増加する集中豪雨に対し、今こそ「救国的な対策」を講じるときである。
・都市における洪水関連の各種指標の再検討が必要であり、最近の気象災害に適合した主要インフラの防災システムの全面的な改編及び再構築が必要である。
・降雨のみならず、集中豪雨とも関連性の高い落雷・雹(ひょう)・突風等への対策も強化しなければならない。

・現在発生している集中豪雨による災害も実に遺憾なことであり、こうして繰り返し発生する気象災害は、都市インフラの(自然災害に対する)脆弱性及び防災・管理体制のお粗末さを端的に示しているものである。

そして、最後に以下のような提言が述べられて解説は締めくくれられています。

・政府は、予見される自然災害から国民を保護しなければならないという「無限責任」を負っていることを肝に銘じるべきである。
・災害及びそれに関連する各種事項を全面的に再検討し、国民が納得できるような対応策を講じるべきである。

上記「ニュース解説」は、KBSのサイトの以下のページで(ストリーミング動画による)視聴が可能なほか、解説の内容(スクリプト)をテキストベースで閲覧することも可能ですので、ご興味のある方はアクセスなさってみてください。

http://news.kbs.co.kr/special/digital/newscomm/2011/07/28/2331109.html