本日(2011年7月21日)のニュース解説では、最近、連日のように各メディアで報道されている「修能試験」(대학수학능력시험(大学修学能力試験, CSAT, College Scholastic Ability Test)や「高入選抜考査」(고입선발고사)を巡る一連の騒動をテーマとして取り上げています。
「なぜ、『修能試験』や『高入選抜考査』の出題過程に受験生の保護者(親)が関与できるのか?自ら(=受験生の保護者)が出題し、子供(=受験生)がその問題を解いたとは・・ただただ呆れるばかりである」
と解説委員は強い語調で訴えかけます。
その上で、以下のような事実について説明しています。
・監査院が最近実施した「韓国教育課程評価院」に対する監査結果によれば、2008年度から2011年度までの「修能試験」において「自らの子は『修能試験』を受験しない」という虚偽の誓約書を提出した上で、試験問題の作成や検討に関与した人物が11名に及び、いずれも現職の高校教師であることが明らかとなった。
上記事実を受け、解説委員は次のように語ります。
「『修能委員』として選定されるや否や周囲からは『実力のある教師』という評価を受け、受験用参考書の執筆依頼があり、有名な大学受験予備校からは高額のスカウト料で引き抜きの勧誘があり・・といったことがあるため、そうした目先の利益に目が奪われ、偽の誓約書1枚出せばすんなりとこのような馬鹿げたことが通ってしまうとの浅はかな考えに至ってしまうほど『師道』(師としてなすべき当然の道理)も地に落ちてしまったのかと思うと本当に嘆かわしい。」
また、「韓国教育課程評価院」に対しても以下のように厳しい批判の論評がなされます。
「このような(上記、保護者である教師が虚偽の誓約書を提出した上で自らの子が受験する入試問題の出題にかかわるような)ことを防止し、公正に試験を管理するために存在するというのが、公機関たる『韓国教育課程評価院』の最たる設立目的ではなかったのか?
試験問題の出題を検討する委員たちの家族関係を確認することができなかったというのであればまさに職務放棄であるし、もしも(そうした事実を)知りつつも見ないふりをして放置したというのであれば、それは試験問題の事前流出を幇助したことに他ならないのである。」
「その上、韓国教育課程評価院の職員たちが、『修能試験出題委員』に対して支給されるべき『激励金』8000万ウォンを横領するという不正を犯したり、試験時に使用するシャープペンシルについて本来『国産品』のみに限定されているはずの既定を破り、低価格の中国産のものを購入して受験生に大きな苦痛(不便)を味あわせたなどといった話を聞くにつけ、ただただ溜息が出るばかりの心境である。」
最後に、以下のように語って論説は締めくくられています。
「いつも出てくる『死後の薬方文(=処方箋)』(※後の祭り・・といった意)的な生ぬるい対策は要らない。酷暑の中に爽快な涼しさをもたらしてくれる夕立のように、蓄積された不信感をすっきりと一掃してくれる根本的な解決策を支給講じてくれることを、全国の受験生や保護者たちは見守っているのである。」
上記「ニュース解説」は、KBSのサイトの以下のページで(ストリーミング動画による)視聴が可能なほか、解説の内容(スクリプト)をテキストベースで閲覧することも可能ですので、ご興味のある方はアクセスなさってみてください。
http://news.kbs.co.kr/special/digital/newscomm/2011/07/21/2327338.html